記事内に広告が含まれています

(30cmの浸水で10.5kg!?)【浸水したとき扉がどれくらい重くなるかざっくり計算してみた】

生活向上アイデア
スポンサーリンク
  • 広告を含む場合があります

こんな人に読んでもらいたい記事です.

・台風で家の回りで浸水が起こったあどうしよう

・浸水がおきたときのイメージをもっておきたい!

という人

結論

・浸水すると水が開き戸を抑える力(水圧)がはたらくので,
扉を開けにくくなる

具体的には「30cmの浸水で10.5kg(2Lのペットボトル5本ちょっと)もの重さ!」
(玄関のドアの場合)

・玄関によくある開き戸の場合,水深の2乗に比例して扉を抑える力が大きくなる

・浸水が始まったらさっさと逃げるべし

自宅が開き戸だったら浸水時どれくらい重いのかイメージが沸かない

こんにちは,りゅういえんじにあです.

台風シーズンがやってきましたね.

ここのところ毎年のように,道路や家屋への浸水被害が報告されています.

特に車に乗っている状態で水位が上がると,
水によって扉が押さえつけられる状況になります.

すると思うようにドアを開けることができず
脱出しようにもできなくなってしまったという話をよく聞きます.

水深60cmでは水圧の影響により、通常の5倍近くの力が必要になることがわかった(計測器を使った条件)

出典:水深何cmまでドアは開くのか?(JAFユーザーテスト)

自動車の例はよく出ているのですが,りゅういえんじにあは自動車を持っていません.

しかし,家の玄関の扉は開き戸なので
「仮に家の開き戸が同じような状況になったら開けるのにどれくらい大変なのだろう」
と思い今回簡単に計算してみることにしましたのでご紹介します.

浸水したとき扉にかかる力は?(水圧のお話)

今回の計算で以下を仮定します.
このとき玄関の扉を開けるときどれくらいの力(重さ)を感じるでしょうか?

【仮定】
・床下浸水深さ30cm(大人の膝より下)
・玄関の開き戸は三尺間口(縦2m,横0.78m)
(参考)国土交通省 川の防災情報「浸水深と避難行動について」

計算結果を以下に示します.

開き戸の水圧計算

なんとたった30cmの浸水で10.5kgのものを
持ち上げるほどの力が発生します.

細かい計算過程を述べるのはこの記事のメインではありませんので,
省略しますがポイントは

(1)「水圧は水深が深くなればなるほど大きくなる」

(2)今回のように開き戸を開けるときを考えると
水圧は水深の2乗に比例して大きくなり,扉を開けるのに力が必要になる
→水深が2倍になれば水圧は4倍,水深が3倍になれば水圧は9倍…

という点です.

いかに水圧が大きな力をもつかイメージしていただけたでしょうか?

細かい話は「流体力学」の分野になりますので,
「水圧」「流体力学」などのキーワードで検索してみてください

ではこの場面に遭遇したときどうする?力学的視点で考える

上記で説明したように家の外が浸水してしまった場合,
家の内側から扉を押し開けるのに大きな力が必要になることがわかります.

それを考えると,

やはり浸水が始まる前(始まった直後)に
家から出る

のがベストです.それは間違いありません.

ただ何かしらの状況で浸水が始まる前に,
家を出れない場合も考えておかなくてはなりません.

この状況下でどのように家を出るのが良いのかを理由とともに考えます.

玄関の扉(開き戸)ではなく,掃き出し窓(引き戸)から出る.

先に示した通り,水圧は面に対して垂直にかかります.

これが扉を開こうとするのを邪魔するむきに力を与えます.

一方開き戸ではなく引き戸であれば,扉を開けるために力を加える方向と
水圧の方向が異なる(ほぼ直角になる)ので,
水圧によって扉の開閉が妨げられることはないはずです.

ただし,水圧によって引き戸が変形して
レールに引っかかってしまうことも考えられるので注意です

外の水位と家内部の水位が同じになるまで待つ

今回扉が水圧によって開きにくくなるのは扉の内側と外側で圧力に差が生まれるからです.

仮に家の内部の水位が高くなり
外部と同じ水位になれば水圧に差がなくなるので,
扉を開ける重さが和らぐことが予想されます.

ただし「水の抵抗」(正確には水の粘性抵抗などといいます)
と言われる話は残っているので,
普段どおりの重さで扉を開けることができるわけではない
ことは容易に想像できますので注意です.

おわりに

今回,機械系技術者として基本的な知識を持っている
流体力学(もしくは水圧)の知識の一つを使い簡単に計算してみました.

実際に自宅周辺に浸水が発生した際
自宅から出るのにどれくらい大変なのかを
「玄関の扉を開ける」という行動に着目して
考えました.

今回の簡易的な計算をみていただき,
浸水したときに対する備えを考えるきっかけに
なったら幸いです.

ありがとうございました.

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました