こんな人に読んでもらいたい記事です.
・冬物コートをいつ買い換えればよいのかと考えている人
・「見た目は気にしない!」とくたびれたコートをついつい着続けてしまう人
結論
・くたびれたコート(形が崩れたコート)は
おとなしく買い替えましょう
理由1:見た目がよくない,おしゃれじゃなくなる
理由2:「ふわふわ」じゃないので
「空気」を保持できない!
→本記事で詳しく解説!
・実はウールよりも空気の方が保温性に優れる!
古いコートって機能面でもあんまり良くない
こんにちは,りゅういえんじにあです.
最近急に寒くなり,いよいよ秋が深まり冬が近づいてきましたね.
そこでいよいよコートが必要になってきましたが,
去年まで使っててだいぶくたびれたコートをみて
「まだ使えるからいいや」
とそのまま使おうとしていませんか?
実は古いコートをそのまま使うと,
見た目が悪いだけじゃなく,
そもそも暖かくないという問題があります.
今回はそのことについてお話したいと思います.
なぜコートを着ると寒さをしのげるのか?
冬にコートを着るのはなぜでしょう?
寒さをしのぎたいからですよね?
ではなぜコートを着ると寒さをしのげるのでしょう?
一言でいうと「空気を身体のまわりにまとわりつかせる」
からです.
順番に説明します.
コートの素材の物性値だけ考えると,保温力は最弱!
例えば高級なコートの素材としてウールがありますが,
素材の熱を通しやすさを示す(つまり保温性の悪さを示す)
「熱伝導λ」を考えると以下のようになります.
空気@300K:λ=26.14mW/(m・K)
ウール :λ=370mW/(m・K)
※300K:温度の単位でだいたい27℃のこと
なんと,ウールの方が熱伝導率が高く
つまり断熱性(保温性)が悪いのです!
(りゅういえんじにあの今回の記事を書くにあたって
初めて調べましたが,まさかこんなに差があるなんて驚きました(笑))
つまり素材の性質だけ考えるとウールは
コートの素材として完全に失格ということになります.
・ポリエステル λ=200mW/(m・K)
・ナイロン λ=380mW/(m・K)
素材の「ふわふわ」感がポイント
ここでコートの役割で
「空気を身体のまわりにまとわりつかせる」
という話に戻ります.
ウールは触ったことがあると思いますが,
ふわふわしている素材です.
実はこのふわふわがポイントで,
保温性に優れる空気をこのふわふわに閉じ込め,
身体の回りにまとわりつかせる
ことで,ウールよいも保温性に優れた空気を
壁にして外部に熱が逃げないようにしているのです.
寝具の羽毛ふとんや,ダウンジャケットも
こうしたふわふわ素材の性質を使って,
空気をまとわりつかせるから,暖かく思えるわけですね.
くたびれたコートを使うというということはどういうことか
ここまで読んでいただければわかると思いますが,
コートの保温力についてざっくりいうと
「ふわふわ感」=「保温力」
という図式が成り立ちます.
くたびれたコートはこのふわふわ感がなくなってくるので,
空気という最適な保温材を
身体に回りにまとわりつかせることができない
ことになり,コートに期待された役割(寒さをしのぐ)を
達成できなくなってしまうのです.
かなり極端な話ですが
もし一般的なTシャツ(ポリエステル製)と
同じ厚さのコートがあったとして,
使い古しすぎて「ふわふわ感」が0になったら,
いくらウール製とはいえ,全然暖かくならない
という話にもなるかもしれません.
場合によっては買い替えを検討してみてください.
新しい上着としてストレッチダウンウエアはどうでしょうか?
おわりに
今回はコートのふわふわ感がいかに冬わたしたちを
あたためてくれるものか,という話をしました.
ふわふわ感がなくなると全然暖かくならないので,
定期的な買い替えが必要なものなのかもしれませんね.
ちなみに
今回は「いかに外部に熱を逃さないか(断熱)」について考えましたが,
逆に「いかに効率よく熱を移動させるか(熱伝導)」という概念も生活では使われます.
熱伝導については,冷凍食品の解凍を題材に以下にまとめていますので,
見ていただけると幸いです.
ありがとうございました.
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