こんな人に読んでもらいたい記事です.
吸引力が高い掃除機はほしい!
でも某「吸引力が変わらない掃除機」は高くて買えないという人
結論
吸引力が欲しけりゃ,吸い吸引口を狭くしましょう!
はじめに
こんにちは,りゅういえんじにあです.
大掃除が近くなってきて,引き戸に詰まったごみを吸い取りたいと
思うことが増えてくると思います.
扱いにくいので,床掃除用のヘッドを外して直接吸い取ろうとするけど
なかなか吸い取れない,と思うことはありませんか?
そして「もっと吸引力が高い掃除機」が欲しいなぁと思うことはありませんか?
でも実は吸引力をゲットするにはそんな高級な掃除機は必要ありません!
今回はそんなお悩みを機械技術者必須の流体力学の知識を使って
解決する工夫をご紹介します.
キーワード:「ベルヌーイの定理」とは
ズバリ今回のお話は「ベルヌーイの定理」に基づいて
掃除機を改良(ちょっとした工作?)することで解決できます!
やり方は「吸引口を小さくする!」です
テープかなにかで吸引口を狭くしましょう
でもその「ベルヌーイの定理」って何でしょう?
ざっくりいうと
「流体が流れる道(流路)が狭くなれば,吸い取る力が強くなるよ」
という話です.
例えばこの法則を利用することで,飛行機が飛び立ちます.
参考までに具体的な式を載せますが,式を覚えていただく必要はありません.
「圧力による値」と「流れの速さによる値」,「流れる高さによる値」
を足し算した結果は必ず同じ値(一定値)になると言っています.
一続きの流路上の流れに関してはエネルギーが保存される,
という話なのですが,この記事では重要ではないので割愛します.
詳しく知りたい方は「流体力学」で検索して出てきた本を読んでみてください.
超重要基本法則なので,どの本にも必ず出てきます.
なんで吸い取り口を狭くすると,吸引力が上がるのか (絵でざっくり説明)
上記に書いた通り結論として,
「吸引力が欲しけりゃ,吸引口を狭くしましょう!」
と言っていますが,その理由をご説明します.
大真面目にやると,難しいので絵で書いて説明します.
(詳しく知りたい方は流体力学の本などを参照ください)
掃除機の吸引口について2つの状態を考えます.
状態2:掃除機のノズルを改造して吸引口を狭くして吸ったとき
です.
さてこの2つの状態で何が違うのかと言うと吸引口の大きさが違います.
吸引力の大きさ(正確に言うと断面積)は状態1の方が状態2より大きいです.
吸引口が狭いときも掃除機は同じ量の空気を吸うので,
空気の流れる速さが速くなります.
ここで思い出してほしいのですが
ベルヌーイの定理は一連の流れ(今回は掃除機が吸う空気の流れ)において
「圧力による値」と「流れの速さによる値」を足し算した結果は必ず同じ値になる
と言っています.
(「流れる高さによる値」は無視することにします)
このルールに則ると,状態2で吸引口が狭くなると
「圧力による値」が小さくなることになります.
「圧力による値」とぼかして書きましたが,吸引される空気の圧力が
状態1よりも状態2の方が小さくなります.
そうすると何が起こるかというと
まわりの空気が自然と吸引口に集まってくるようになるのです.
(空気などの流体は圧力が高い方がら低いほうに流れるため)
このような理由から,吸い取り口が狭くなると吸引力が上がるわけです.
厳密に言えば,吸い取るものとの密着具合が変わってしまうと
吸引力が増えたとは言えないですが,そのあたりを無視すれば
「吸引力がほしけりゃ,吸引口を狭くしましょう!」
といえるのです.
やり方としては,掃除機ノズルの口を半分くらい(適当)
テープで塞ぐ程度で良いと思います.
ちなみにこの圧力の差を利用することで,
昨今流行りの感染症を防止するための換気を効率化することもできます.
併せて御覧ください.
おわりに
今回掃除機の吸引力を上げたい,と考えたときに
インスタントな方法で実現できないか,を
流体力学の考え方で紹介しました.
今後大掃除などで,細いレールなどのゴミを吸い取りたいと
思うことが増えてくると思いますので,ぜひこの豆知識を活用してみてください.
ありがとうございました.
コメント