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【周波数】【電波の周波数で速度やつながりやすさが変わるって知ってましたか?】

技術者目線の小話
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こんな人に読んでもらいたい記事です

・WiFiの2.4GHz,5GHzで何が違うの?という人
・スマホで使っている4G通信と5G通信の電波って
どれも同じなんじゃないの?という人

結論

これからのデジタル化の時代,電波の特徴を知っておこう!
「電波の周波数が上がると情報量は増えるが,つながりやすさは低下するかも」

はじめに

こんにちは,りゅういえんじにあです.

最近電波の「周波数」に関わることが多くなってきました.

例えば,家でWiFiを使うとき,同じルータから
周波数2.4GHzのものと周波数5GHzのものの
二種類のSSID(アクセスポイント)が
設定されていたりします.

また三大キャリアで5G通信サービスが始まり,
5G通信対応のiPhoneが発売されたりしました.
実はこの5G,本質的には今までの4Gの電波とは
周波数の異なる電波を使うことになります.

ちなみにこの2つの例での「G」の意味は,
本質的に違うものです.

詳しくは以下のリンクをごらんください.

今回は「電波」というものの物理的な特徴を踏まえながら,
「周波数」が変わると通信として何が変わるのか,というところを紹介します.

電波とは?

この記事では,周波数が変わると何が起こるのか,という話を説明します.
ただ,基本的な言葉を予め説明しておいたほうがわかりやすいので,
電波の基本的な言葉などを説明します.

電波は電磁波の一種です.

この電波の物理的な特徴を表す指標として
(i)速さC(=1[秒]間に約30万[km],光の速さと同じ)
(ii)周波数f
(iii)波長λ
があります.

細かい計算は省略しますが,この(i)~(iii)には
C=f×λ
という関係があります.

細かい話をする前にこの3つの言葉があることを
頭の片隅に入れておいてください.



周波数が上がると何が起こるか.

ここでは,電波の物理的な特徴を表す「周波数」を
変えることで何が起こるか説明していきます.

(1)通信速度(=一度に送れるデータ量)が上がる

周波数とは「1[秒]の間に何回波が上下するか」を表す指標です.

この波の上下のパターンを変えることで,情報をおくるのですが
当然周波数が上がることで波の上下のパターンをより多く送れるので,
通信速度(=一度に送れるデータ量)が上がるといえるようになります.

よって
WiFiでは2.4GHzより5GHzのほうが高速通信ができることが見込めます.
また,スマホでは4G通信より5G通信の方が高速通信ができることが見込めます.

(2)繋がりやすさ(圏外になりにくさ)は下がる

先に「周波数を上げると通信速度が上がる」
と説明しましたが,良いことだけではありません.

それが表題に示した「繋がりやすさ(圏外になりにくさ)は下がる」
という点です.

じつは電波には障害物にぶつかっても回り込む性質
「回折」(「かいせつ」と読みます)というものがあります.

この回折現象によって,アンテナが直接見える場所でなくても
WiFiだったり,スマホの通信を行うことができます.

さてこの「回折」現象には
「(iii)波長λが大きいほど,起こりやすい(電波が回り込みやすい)」
という性質があります.

ところが,先程の式「C=f×λ」をみるとCの値は一定なので,
「f(周波数)が大きくなるとλ(波長)が小さくなる」のです.
そして「λ(波長)が小さくなると回折が起こりにくいということになり,
電波がつながりにくい」という話になります.

ちなみに逆の言い方をすると
「高い周波数の電波は直進性が高い」などと言う場合もあります.
これは「高い周波数の電波は回折しにくい(回り込みにくい)」と同義です.

まとめ

これまでの内容をまとめると

「通信速度を上げるために周波数を上げると,
それに伴ってつながりやすさは下がる」

といえるのです.

実際のところは
WiFiは家の中という狭いエリアの中での電波の話ですから,
障害物があってもアンテナの強さでゴリ押しして通信できますし,
スマホの電波においては複数の周波数の電波を組み合わせることで
圏外を回避してたりしていますので,実感として感じにくいことが多いです.
(つながりやすさを全面に押し出した電波をプラチナバンドなどと言っていたりします)

ただ現実として
例えば家の中でWiFiがつながりにくいなと感じたら,
電波には物理性質上(1)や(2)の特徴がありますので,
5GHz設定であったなら2.4GHz設定にしてみたり,
WiFiの機器の電波を遮るものをどかしてみたりすると
状況は改善するかもしれません.

おわりに

今回,電波の物理的性質を交えて
「Wifiの2.4GHzと5GHz」や「スマホの4G通信と5G通信」で
相対的に何が変わるのかを紹介しました.

様々な技術開発がなされているので,
多少の改善はあるかもしれませんが,
基本的には
「通信速度を上げるために周波数を上げると,
それに伴ってつながりやすさは下がる」
という話は大きく変わることはないはずです.

WiFiに関して言えば,電波の特徴を踏まえて少しでも
自宅の通信環境改善につながれば幸いです.

ありがとうございました.

 

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