こんな人に読んでもらいたい記事です
・機械系の資格ってどんなのがある?
・現場で活躍するための国際的な裏付けのある資格を取ってみたい!
という人
結論
機械の資格ってあるにはあるけど,就職・転職にはあまり役立たない…
技術者としての能力を証明する資格の一つ
「機械状態監視診断技術者(振動)」について紹介します.
「振動診断士」とも呼ばれています.
・人手不足が見込まれる今,機械のIoT化,SDGsが大きなトレンド.
→振動の知見を通じて大きなトレンドの流れに乗れる
・ISO 18436に基づく資格で技術者としての能力を客観的に示せる
→国際規格に則るため,世界で能力を証明できる
・あらゆる機械システムに大きく関わる振動に
関わる知識を体系的に学ぶ勉強にもぴったり!
はじめに
こんにちは,りゅういえんじにあです.
最近様々な資格がありますが,機械に関わる資格について考えたことはありますか?
CAD利用技術者試験,危険物取扱者試験などはありますが,
それによって仕事の幅が大きく広がることはほとんどありません.
というのは機械設計の仕事は社内完結のものが多いため,
「とある会社で役に立った能力,資格でも別の会社では役に立たない」
ってことが往々にしてあるためです.
そこで機械に関して国際的に共通な資格は全く無いのか?
という疑問が出てきます.
そこで「機械状態監視診断技術者(振動)」を紹介します.
※この資格に限らず,資格を取るには勉強が必要です.
効率的な勉強法については以下が参考なりますよ!
自分も参考になりました.
「機械状態監視診断技術者」こんなところがいいぞ!
(1)機械のIoT化,SDGsに関わる資格
昨今様々な現場での人手不足が騒がれております.
もちろん様々な製造現場,プラントでも例外ではありません.
工場やその他の機械設備の異常は,
「機械の振動」という形で表れますが,
「機械の異常を人が一つ一つみるのではなくセンサを使って探知しよう」
というトレンドができつつあります.
これが機械のIoT化になります.(例,OMNIedge)
また世界的なブームとしてSDGsもありますね.
「持続可能な開発目標」として地球環境に配慮した産業活動が
企業を評価する指標となっているわけです.
製造業の視点で考えると「機械を最後まで使い切る」ことが
SDGsに対する一つの答えになりえます.
以上の2点(機械のIoT化,SDGs)ような背景のもと,
現場の技術者には機械の状態を判断する能力が求められている,というわけです.
つまり「機械状態監視診断技術者(振動)」は技術的資格という側面はあるものの,
IoTやSDGsといった世界の大きなニーズ・トレンドに沿った資格であるとも言えるのです.
(2)ISO 18436に基づく資格で技術者としての能力を客観的に示せる
他の資格との違いは?という視点で
「機械状態監視診断技術者(振動)」を見てみます
振動診断技術者の資格に関連する他の資格としては,
・博士(ドクター)
・技術士(機械)
・技能検定 ・機械保全技能士(機械系)
が挙げられます.
博士は,それ単体では振動に関する専門性を証明するものではなく,
実務上の作業品質を保証する資格ではありません.
技術士・機械保全技能士は,振動を中心とした機械状態監視に特化した
作業品質を確保するための技術,技能レベルを設定している資格ではありません.
機械設計や保全作業全般を対象にしたコンサルタント的な要素を持つ資格に相当します.
これらの資格と比較すると「機械状態監視診断技術者(振動)」は
現場でのニーズが高い振動問題,機械状態監視に関わる業務に対して
作業品質を確保するための技能・技術の両面を規定するようなものなのです.
また資格認証に関わる相互認証契約を
カナダ(CMVA),韓国(KSNVE)と締結し,
米国VIとも関わりがあり世界標準化を目指しています.
つまりこの資格は国内,海外問わず業務品質を保証する
「世界に通用する資格である」ということができます.
(3)「振動」について大枠を体系的に学ぶにはちょうど良い
これは実際にりゅういえんじにあが勉強したときに感じたことです.
一般に振動を勉強しようとすると,振動の原理(モード解析など)に
絞って理論を解説したセミナーや本があったり,
実際の計測方法・計測のコツに特化したセミナーや本があるため,
幅広い文献に当たる必要があります.
振動の基礎と計測の基礎を体系的にバランスよく習得し,
現場で役立つ知見を持つには最適な資格と言えます.
下記でも説明する受験資格のための訓練では,
実際に実験を通して振動の原理や計測方法を学ぶことができるのもポイントです.
この資格を取るには?
この試験を受験するのには以下のような手順を踏みます.
(1)受験資格を確認(カテゴリーによって実務経験による制限がある)
(2)日本機械学会に申し込み.
(3)機械学会の認定した訓練機関で訓練(講習)を受講.
4日間くらい連続で講習をうける,座学だけではなく実習もある
レベルは「カテゴリI」~「カテゴリIV」
という形で分かれています.
ホントに機械振動に関して全くわからん,ということであれば
カテゴリIから受験を検討してみても良いかもしれませんが,
業務で少しでも機械振動に関わっているならば,カテゴリIIから受験しても良いと思います.
当方はカテゴリIIから受験しました.
おわりに
これから人手不足が深刻化するため,機械が壊れる前に
適切にメンテナンスをする重要性がますます高まってきます.
こういった資格の勉強をして,今後ニーズが高まる機械の状態診断の
仕事に役立てることができるようになればよいですね.
ありがとうございました.